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君とならキスだけで【TIGER&BUNNY】

第2章 アイシテイルカラナカセタイ


バニーと彼女はオレ達に背を向けてカウンターに腰掛けているから、コッチには気付いてないみたいだ。

「なあ、バニーの仕事の邪魔しちゃ悪いしさ……」

なんてオレが腰を上げ掛けた時……

「でもアレ、ちょっとヘンね。」

ファイヤーエンブレムが低い声で囁いた。

「何がヘンなんだよ?」

バイソンがズイッと身を乗り出す。

「女がオーダーしたわ。
 普通最初のオーダーは男がするモノよ。
 特にハンサムだったらそーゆーエスコート術はパーフェクトなハズだし。
 それに……あのバーテンダー……
 初めて見る顔ね。」

ここでバイソンも合点がいったみたいに頷いた。

「エッ……エッ……
 どーゆーコト?」

アレ……理解出来てないのってオレだけ?

ファイヤーエンブレムとバイソンはバニー達の背中をじっと睨み付けている。

だからオレもソッチへ顔を向ければ、バニーと彼女はバーテンダーから渡されたピンク色のカクテルに口を付けている所だった。

「バイソン、あのバーテンダーを裏でコソッと締め上げちゃいなさい。」

「オウッ…任せとけ!」

バイソンがバニーに気付かれないようにカウンターの裏手に回る。

「タイガーはココに居て。
 ハンサムの動向から目を離すんじゃないわよ!」

「あ…ああ……分かった。」
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