第20章 kiss the glasses 後編
コレは所謂スポーツブラ!
無地のコットン素材で、セクシーさは欠片も無い。
視線を落としてみるとショーツも同素材で、そっちにはおヘソの下にワンポイントでウサギのキャラクターがプリントされていた。
………何だっけ、このキャラクター。
確かディック・ブルーナっていうグラフィックデザイナーが産み出した世界的に有名なキャラクターだ。
そのキャラクターを見つめたまま動かない僕に、何故かさんは涙声で謝罪する。
「ゴメンナサイッ!
男性に愛される時には下着も大切よって
Miss.シーモアに言われたんですけど
私、どーしてもあの小さくて締め付けるのが苦手で………
ソワソワしちゃって落ち着かないんです。
だからこんな子供みたいな………」
「ああ、ミッフィーだ。」
「へ?」
「ミッフィーですよね、このウサギ。」
「そ……ですけど……」
ポカンとするさんに、僕はニッコリと微笑みかけた。
「下着なんて何でも構いませんよ。
僕はさんの下着が好きな訳じゃ無いですから。」
「バーナビー…さん。」
だからさんは明るいままなのはイヤだったんだろうな。
僕にこの下着を見られたくなくて。
本当にこの人は可愛くて、僕に次々と初めての感情を与えてくれる。
ああ、早くこの人を僕だけのモノにしたい。
「羨ましいな、このウサギ。
僕も『バニー』ですからね。
僕がさんの大事な部分を守ってあげたいな。」
もうさんは緊張する事もなく、全身の強張りを緩めて潤んだ瞳で僕を見つめている。
そんなさんをそっと押し倒して、僕は甘く告げた。
「だからコレは取ってしまいましょう。
………さんの大事なトコ、僕に見せて。」