第20章 kiss the glasses 後編
キングサイズのベッドにそっとさんを座らせて僕もその隣へ。
艶々で温かいさんの頬を撫でながら、僕は柔らかい口調で問い掛けた。
「僕で……いいんですか?」
「………何が?」
「さんの初めてが、僕でいい?」
「…………………。」
黙ってしまったさん。
これは肯定なのか、否定なのか………
僕の不安は募ってしまう。
「僕は貴女より随分と年下で……
これから先、嫉妬したり我が儘を言ったり、
さんを困らせてしまうかもしれません。
それでも僕はさんが好きなんです。
貴女は僕が初めて愛した人だ。
だから僕は……
さんの初めてが欲しい。」
どうしてかな……僕の視界が滲んでる。
その滲む視界の中、さんがニッコリと微笑むのが分かった。
「私は貴方より随分と年上で……
美人でもないし、チビでガリガリで貧相だし。
同じ職場で出会わなければ、
BBJに相手をして貰えるような女じゃ無いけど……
でもね、バーナビーさんが拗ねたり、我が儘言った時は
優しく叱ってあげられるくらいの度量はあるんですよ。」
「………ああ、叱られたいな。」
「……叱って欲しいの?」
「はい。
さんに叱られたい。」
「ふふ……
バーナビーさんって面白いですね。」
この間に僕とさんの顔がどんどんと近付いていって………
「あ……」「あ……」
お互いにクスッと笑ってから僕はさんの、そしてさんは僕のメガネを外した。