第19章 Just LOVE 後編
それはシュテルンビルド中の人が集まったンじゃねーかってくらいの人集りで、耳を劈くような大歓声の中、タキシードを着た俺とバニーが運転手付きのオープンカーでゆっくりと進んでいた。
「あのさ……バニーちゃん。」
「何ですか?」
「コレは一体……どーなってンの?」
「コレ……とは?」
「だからッ……
何でこんな王族のパレードみたいになってンのよ?」
「ああ。
アニエスさんにお願いしてですね、昨夜HERO TVで流してもらったんです。
結婚式の細かいスケジュールと教会までの進行路を。
勿論、TV中継もされてますよ。」
「あのさ……
俺、出来るだけ地味に…って言ったよな?」
「大丈夫ですよ。
教会で待ってるのは僕達の関係者だけですから。」
そうあっけらかんと言いながら、バニーは沿道の人集りにハンサムビームを振り蒔きながら手を振っている。
「はああー……」
恥ずかしさで居た堪れない俺が溜息を吐いて俯くと、バニーは突然俺の頬にキスをした。
そして沿道からは更なる大歓声。