第19章 Just LOVE 後編
こういった行為はベッドの上でやるべきだ……
こんなスタンダードな考え方って、今の若いヤツにはピンと来ねーのかな?
だって俺がベッドへ行きたがると、バニーはいつも「ふふ…」って愉快そうに笑う。
それにさ、バニーはいつでもどこでもサカるし………
そうすっと不自然な体位になっちまったりして、アラフォーのオッサンには正直ツライんだよ!
しかもそういう時に限ってバニーのヤツ、シツコかったりするんだよなァ。
そう、あの時だって………
半年くらい前だったよな。
俺とバニーはまだ付き合い始めたばかりでさ……
とにかく俺はバニーが可愛くて可愛くて。
そんなバニーが俺のコトを好きだって言ってくれるのが嬉しくて……。
それはもちろん今も同じ気持ちだぜ。
でも…でもさ……
シュテルンビルド中の女の子が惚れて、男共は憧れて、そんなスーパーヒーローBBJが俺みたいなオッサンに夢中になってるのなんて信じられない部分もあったんだ。
4つの時に両親を殺されて、復讐だけを考えながら一人きりで生きて来たバニーだから、偶々バディとして宛がわれた俺に懐いてるだけなんじゃねえのかって。
これからどんどんとバニーの世界が広がって、たくさんの人と出会って行く中で俺なんかよりもっともっと好きになれる相手が現れるだろうな…ってさ。
俺はいつも不安だった。
だけどやっぱりバニーのコトが好きだから……
バニーには誰よりも幸せになって欲しかった。
そんな気持ちを抱えながら過ごしていた時、バニーの家で飲んでたら俺……
酔った勢いで遂に口に出しちまったんだ。
「あのさ……バニー。」
「………何ですか?」
俺の目をじっと見つめるグリーンアイは吸い込まれそうな程にキレイだ。
ああ……やっぱり俺、バニーが好きだ。
なのに………
「バニーがさ、本当に好きな人と出会ったら
俺なんて捨ててくれていいからな。
バニーにお似合いの可愛い彼女とか出来たらさ、
俺みたいなオッサンに付き合ってくんなくていーから。」
「…………は?」
「俺、バニーには幸せになって欲しいんだ。」