第2章 アイシテイルカラナカセタイ
「なぁんだ、そんなコトォ?
2人とも急に抱き付いてきたから
遂にアタシの魅力に気付いたのかしらって滾っちゃったじゃない!」
ここはファイヤーエンブレムが行き付けのホテル最上階にあるお洒落なバー。
結局こーゆー話はファイヤーエンブレムが最適ってコトで、ゆっくりオレの話を聞いてもらう事になった。
流石にさ、ファイヤーエンブレムと2人っきりつーのも身の危険を感じるし……
色んな意味で……
渋るバイソンもムリヤリ引っ張って来ている。
オレの悩みを聞いたファイヤーエンブレムは
「フーーーン……
ハンサムったら悪趣味なのねえ。
あの顔とスタイルだったら女なんて選り取り見取りでしょうに……
よりにもよってこんな枯れたオッサンを選ばなくてもねぇ。」
とか、軽くオレをディスって来やがる。
その横でバイソンもウンウンって力強く頷いてやがるし。
でもまあ……ホントにその通りだよなァ。
オレがバニーに惚れるのは仕方ねえとしても、どーしてバニーはオレなんかを愛してくれるんだろう?
急にシュンとなっちまった俺を見て、ファイヤーエンブレムは目を細めて微笑んだ。
「そーゆートコなんでしょうね。」
「………へ?」
「ハンサムはきっと、
タイガーのそーゆー素直な所が可愛くて堪らないんだと思うわ。
アタシだってキュンとしちゃう♥」
最後の一言は華麗にスルーして、オレは勢い良くファイヤーエンブレムに喰らい付く。