第18章 Tintarella di luna 後編
「ああ……コレ、ツライでしょう?
私がバーナビーさんを楽にしてあげられれば……」
「ホントに………イイんですか?」
「ええ……勿論。」
「………ッッ!
ペトロフ管理官ッッ!!」
抱き付いて来たBBJの勢いに押されて、絡み合ったまま床へ倒れ込む。
私を組み敷き、私を見下ろす餓えた獣のようなグリーンアイを真っ直ぐに見上げ
「ユーリで構いませんよ。
Mr.鏑木も、私をそう呼びます。」
微かに口角を上げてやった。
その途端、クシャッと表情を歪ませたBBJ。
ワイルドタイガーの名前に反応したのか?
だがここまで来てしまったら、もう抗えないだろう?
いつか私の手練手管に嵌まってしまったのだと気付く日が来るだろうな。
でも今は………
さあ……
「ユーリ…さんッッ……」
私の首筋を這うBBJの乱暴な舌の感触に心拍数を上げながら、私の顔にはきっと悍ましいアルカイックスマイルが浮かんでいたに違いない。