第18章 Tintarella di luna 後編
自分に唇を重ねる相手があの美しい男だとでも思っているのか……
ワイルドタイガーは拒みもせず、無遠慮に舌を絡ませて来る。
それに応え、お互いの唾液を啜り合い、下品な水音を響かせて、立ち尽くしたままのBBJを見遣れば………
動揺、驚愕、憤怒、悲哀、悋気、逆上………
勢い良く放たれる様々な感情に、私は益々昂ぶっていった。
僅かに離した唇から、ワイルドタイガーへ注ぎ込むように私は囁く。
「ああ……私も果ててしまいそうです。
貴方と繋がった事実が、私を悦楽へ誘う……」
嘘では無い。
もう既に私のペニスは暴発寸前だ。
勿論物理的な刺激だけではなく、BBJに見られている……
いや、見せつけているというシチュエーションが大きなエッセンスになっているのは間違いない。
「んぅ……んッ…」
自分自身を扱く手の動きが逸る。
腰を小刻みに上下させ、ワイルドタイガーの頑強なペニスで己のポイントを確実に突く。
もうこれはマスターベーションと同等だ。
本来この行為を遂行する為に必要である筈の『愛』などという生温い感情など、ここには微塵も有りはしない。
「……くッ…うッッ…」
腹の奥から湧き上がってくる悦楽に身を委ね、大きく背を反らすと同時にビュルッ…と精液が噴き出した。
その絶頂により私のアナルが収縮したせいだろうか……
「イッ……ンッッ!」
ワイルドタイガーも私の中に射精したようだ。
注がれるその熱にブルブルと震えながら、私は横目でBBJを盗み見て薄い笑みを浮かべる。
さあ……どうする?
バーナビー・ブルックスJr.……。