• テキストサイズ

君とならキスだけで【TIGER&BUNNY】

第16章 if...


「………虎徹さん?
 何か言って下さい、虎徹さんッッ!」

いつもだったら直ぐに僕の名前を呼んでくれるのに……どうして!?



…………全部、僕が創り上げた幻想だったのか?

虎徹さんの声も姿も………

自分が赦されたいばかりに、僕は勝手に虎徹さんを利用したのだろうか?



「虎徹さん……ごめんなさい。
 僕……僕は……」

その場にガクンッ…と膝を着きボロボロと涙を零す僕を、ファイヤーさんとスカイハイさんが抱き締めてくれた。




「さて……そろそろ我々も避難しなくてはね。」

そう言うスカイハイさんに僕は笑顔で答えた。

「先にファイヤーさんを連れて行って下さい。
 レディファーストですから。」

「アラ……流石ハンサム♥」

「僕はここで待ってます。
 それにホラ…ヘリがコッチへ向かってる。」

「もう……大丈夫ね、ハンサム。」

張り倒した僕の頬を今度は優しく撫でてくれるファイヤーさん。

「ハイ。」

だから僕も憑き物が落ちたような笑顔で力強く頷いた。

「では先にファイヤー君を連れて行くとしよう!
 待っててくれたまえ、バーナビー君!」

「お願いします、スカイハイさん。」

いつも通りピシッと敬礼をしたスカイハイさんがファイヤーさんを抱えて飛んで行く。

その白い鳥のような姿がとても美しくて、僕の表情は自然に綻んだ。
/ 461ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp