第16章 if...
「ハンサムッッ!!」
「バーナビー君ッ!」
気が付けば僕はスカイハイさんに抱えられて宙に浮いていた。
「僕………どうして……」
確か今はヒーローとして出動していたハズだ。
超高層ビルの火災事故。
まさにTowering Inferno……そびえ立つ地獄だった。
それでも何とか炎の勢いは鎮静化し、屋上へ逃げた人々を僕とファイヤーさんとスカイハイさんで避難させていた。
最後の避難者を救助ヘリに乗せ、人心地ついた所でどうやら僕はふらついてヘリポートから転がり落ちたらしい。
そこをスカイハイさんが空中で受け止めてくれたんだ。
ヘリポートに戻され、3人で向かい合う。
何も言わず只ぼんやりと佇む僕にファイヤーさんとスカイハイさんが歩み寄った。
「どーせ素直に聞きゃしないから言うの我慢してたけど……
もーアタシ、堪忍袋の緒が切れたわよッッ!
イイ加減にしなさい、ハンサム!
今のアンタの顔、死人より酷いわよッ!」
「ファイヤー君の言う通りだよ、バーナビー君。
私達は君が心配なんだ。
そう、とてもね。
君が日に日に衰弱していく姿は見ていられない。
ツライ、そして哀しいんだ。」
《バニー……》
ああ……虎徹さんの声が聞こえる。