第16章 if...
それからも日中は変わらない毎日。
トレーニングセンターでファイヤーさん辺りに叱られるかと思っていたけど、誰にも何も言われる事は無かった。
どうやらブルーローズは僕にされたコトを口外していないようだ。
流石にアレ以来、ロクに僕の顔を見やしないけど。
僕に対する労りのつもりか?
ああ、同情かな?
でもそれすらも鬱陶しく感じる自分がどれだけ荒んでいるのかと思わないでもないけれど、だからと言って改める気も無いから本当に今の僕はどうしようもない。
だけど………夜は違うんだ。
あの『果てさせてもらった』日から、毎晩虎徹さんは僕の部屋へ来てくれる。
バスルームは勿論、ベッドルームだったりキッチンだったり………
ふと気が付けば僕の傍に居て、甘い声で僕を《バニー》って呼ぶんだ。
当然その度に僕達は激しく愛し合った。
虎徹さんが僕の上に乗って淫らに腰を振るコトもあれば、僕が虎徹さんを抑え付けて犯すように抱くコトも。
お互いのペニスを纏めて握り扱いては2人分の精液に塗れてみたり………
シックスナインの体勢で濃厚なフェラチオ後に精飲したり………
とにかく2人共に夢中で、貪るようなセックスを繰り返した。
そして僕は毎回疲れ果てて眠り込み、目覚めた時にはいつも虎徹さんは消えている。
これは僕が望んだ幻想なのか?
虎徹さんはゴーストなのか?
僕は取り憑かれているのか?
ああ……そんな事はどうでもいい。
毎晩、虎徹さんに会えるのならば僕は何を失ったって構うものか!