第16章 if...
これは幻想か?
開いた僕の脚の間に虎徹さんの顔が浮かんでいた。
鼻から上だけを湯船から浮き出し、上目遣いで僕を見つめている。
「こて…………」
《可愛いな、バニー》
「ど……して……」
《ホラ、ソコに座れよ》
《口でしてやっからさ》
「あ…あ…………」
ゆるゆると腰を浮かせた僕は、バスタブの縁に腰掛ける。
そして音も発てず虎徹さんの上半身が湯船からヌルリと現れ、その顔が僕の股間に埋まった。
「ンンッ………」
幻想だって構うもんか!
僕は只管に、その快楽に溺れる。
「虎徹さんッ……
アアッ…」
《イキそ?》
「ハイ………
イッちゃ………」
《ん……イイぜ》
《イッちゃえよ、リルバニー》
《俺の口ン中に濃いの……いっぱい出して》
「も……射精るッ!
虎徹さんッッ!
クゥッッ…………」
その後、どれくらいの時間が経っていたのか。
絶頂の余韻から脱け出し、意識が覚醒した時にはバスタブのお湯はすっかりと冷め………
虎徹さんの姿は無かった。
そして僕の右手だけが、ネットリと精液に塗れていたんだ。