第16章 if...
アポロンでのデスクワークを終えて、ジャスティスタワーにあるヒーロー専用のトレーニングセンターへ。
最近は毎日この繰り返しだ。
もちろんヒーローの出動要請があればBBJとして出動もする。
『あの直後』は各機関の事情聴取だったり、メディアの取材対応だったりと休むヒマも無かった。
いや、休みたいとも思わなかったが。
でもそんな事後処理……こんな言葉で片付けるのは心外だけど……が終わってしまえば、僕にはもう仕事かトレーニングか………
その他にやれる事も、やりたい事も無かったんだ。
『あの日』以来、トレーニング中も出動していても、他のヒーロー達は僕に対して異常に気を遣っている。
気を遣うというより、まるで腫物に触るような……と言った方が正しいのか?
僕としてはそれが不思議で堪らない。
どうして誰も僕を咎めないんだろう?
ヒーローだけじゃない。
アポロンメディアの社員も、HERO TVのスタッフ達も………
そう、それこそシュテルンビルド中の人々が、何故僕を責めないのか?
大声で僕を罵り、徹底的に糾弾し批難すればいいのに。
だって……………………
ワイルドタイガーを殺したのは僕なんだから。