第14章 君の手をひいて歩く僕の未来
「………勿論ですッ!
明日にでも買いに行きましょう!
さんの誕生石はエメラルドですよね?
ああッ……ダイヤモンドの方がいいのか!
じゃあロイヤル・アッシャーかハリー・ウィンストンで……」
「んーん……
そんなのいらない。」
僕の腕の中でさんが首を振る。
「でも……」
「譲れない条件は頑丈だってコトだけ。
石なんか付いてたら邪魔だもん。
これから24時間、365日……違うな。
一生涯身に着けるんだから、スゴく頑丈じゃなきゃ。
………2つとも。」
「…………僕と、さんの?」
「そう。
私とバーナビーの。」
暫くの間、無言で抱き締め合って、そして自然な流れでお互いの腕を解き見つめ合う。
「それからね………」
さんの柔らかい声に僕は小さく頷く。
「いつか、私をバーナビーの子のママにさせてね。
でも今はまだ、バーナビーと2人だけの時間を楽しみたいの。
………いい?」
そして僕は返事をする代わりに、さんの愛らしい唇を塞いだ。
唇から顎、そして首筋へ舌を這わせていき、僕の指がさんのシャツのボタンを外す。
上から1つ、2つ……3つ目に手を掛けた時
「ンッ……イヤ…」
小さな抵抗に僕は我に返った。
そうだ、この前だってあんなに酷い事をしてしまったんだから……
「ごめんなさい……」
だけど謝る僕を見つめるさんの目は熱を孕んでいる。
「ここじゃ……イヤ…」
「…………ッッ!」
そうなれば当然、僕はさんを勢い良く抱き上げた。