第14章 君の手をひいて歩く僕の未来
「私……バーナビーが好き。
大好き。」
「エッ……あ…僕……僕もッ……」
「だから結婚しようね。」
「はい……」
「でも、今じゃないの。
時間掛かってもいいから、バーナビーの周りの人達皆に認めてもらって
祝福されて結婚しよう。
私はずっとずっとバーナビーを好きでいられる自信があるから
それこそ10年後でも20年後だって構わない。」
「それはさすがに……」
「ふふ……ちょっと極端だけどね。
だけど本当にそうなったとしてもいいんだ、私は。」
「さん……」
僕は堪らずさんを抱き締める。
すると躊躇無く、さんの両腕も僕の背中に回った。
「バーナビーはね、私に『確かなものをあげたい』って言ってくれたけど
もう充分もらってるんだよ。
こうやって私に触れてくれるだけで充分なの。」
「さん……好きです。」
「ホラ、それも。」
「貴女を愛してるんです。」
「ホラ……もう充分過ぎるくらい。」
さんの両手が宥めるように僕の背中を優しく擦ってくれる。
その心地好さに、僕は蕩けてしまいそうだ。
「あとね……1つお強請りしてもいい?」
「何ですか?
さんの望むものなら僕は何でも……」
「指輪……くれる?」