第1章 Red Lip
ほんの2、3秒かな。
子供同士みたいな可愛いキス。
キョトンと目を瞬かせてオレを見るバニー。
そこでオレもバニーをじっと見つめて、もう抑えきれない想いを伝える。
「勿論さ……友恵の事はまだ愛してるよ。
娘の楓も産んでくれた。
本当に大切で、守ってやりたい女性だったんだ。
でも…でもよ……
バニーは全然違うんだ。
……上手く言えねえけど、
バニーは一生のパートナーって言うかさ……
バニーを守ってやりたいとも思うけど……
オレもバニーに守られたいんだ。
肩を並べて、同じ方向を見て進めたら……
なあ……オレもバニーと離れたくねえ。
ずっとずっと、お前の隣に居たいと思ってる。」
「こ…てつ…さ……ん゛ぅ…くッ…」
「……ぶはッ!」
突然グズグズと泣き出したバニーに、オレは堪らず吹き出しちまった。
全く……本当にコイツは可愛いくて仕方ねー!
「バニーちゃんってさ、意外と泣き虫だよなァ。」
「僕が泣くのは……いつだって……
虎徹さんの…せい……なんですから…ねッ……」
「ハハッ……そーだな。」
オレより大きなバニーの身体を抱き寄せて宥めるように背中を擦ってやると、バニーはオレの肩に額をスリスリしながら甘えて来る。
ついさっきまであんなにカッコ良くさんを抱いてたバニーとのギャップが堪らねえ。
これがギャップ萌え……ってヤツ?
んん……ヤバい。
またちょっと変な気分に………
「お話は纏まった?」
そこへシャワーを済ませ、何事も無かったみたいにキッチリと身形を整えたさんが戻って来た。