第14章 君の手をひいて歩く僕の未来
「ねえ、さん。
僕と一緒に居るのはツライですか?」
「……んんぅ。」
それこそ有り得ないって言いたいのに、上手く言葉にならない。
「昨夜も随分と疲れさせてしまいましたよね?
不躾な視線に嫌な思いもしましたよね?
そんな僕がさんを責めるなんて出来るワケがない。
さんをどんな事柄からも守ってあげたいって思ってるのに
そんな当たり前の事すらまともに出来ない僕は……
本当に駄目な男だ。」
違う……違うよ!
バーナビーは何も駄目じゃない。
私がもっと自分に自信があって、強い気持ちを持っていられたらいいだけなのに。
いつも不安でビクビクしてて、こんな私を好きだって言ってくれるバーナビーの顔色さえ窺って……
駄目なのはバーナビーじゃない。
駄目なのは私だ。
そう伝えたいのに、どうして声にならないの。
私は俯いて只管にブンブンと首を横に振るしか出来なかった。
「今の僕は、貴女に確かなものを与えてあげられない。
そんな不甲斐ない僕のせいで貴女を不安にさせて泣かせて、傷付けて……。
さんは僕だけのものだって、
僕はさんだけのものなんだって………
全世界に知らしめる確かなものを手に入れたいだけなのに……」
バーナビーの両手が私の濡れた頬を包み、そっと顔を上向かせる。
そして…………
「だから子供を作りましょう、さん。
そうすればもう誰にも邪魔されません。
僕は、さんに『確かなもの』をあげられる……」
バーナビーは私に覆い被さった。