第14章 君の手をひいて歩く僕の未来
いつまでたっても離れてくれないバーナビー。
流石に照れ臭くなっちゃって
「ご飯食べた?
私、何か作るよ。」
なんてさり気なくバーナビーの腕から逃れてキッチンへ向かう。
だけどリビングで引き留められてまた向かい合った。
「少し……話をしましょう。」
泣きそうな顔のバーナビーにそう言われて
「………うん。」
私も素直に腰を下ろす。
だけどバーナビーは無言で、その気不味さに堪え兼ねて私の方から切り出した。
「昨夜はごめんなさい。
心配掛けちゃったよね。」
「………いえ。」
「ホントにね、何か疲れちゃって。
それに暫くアパートにも帰ってなかったし……。
だから………」
「いいんです。」
「………怒ってる?」
恐る恐るそう問う私に向かって、バーナビーは柔らかく微笑む。
「怒ってなんかいませんよ。
僕がさんに怒るなんて……
有り得ない。」
…………何だろう?
そのバーナビーの言い分に、急激に熱い感情が沸き上がった。
「………どうして!?」
「え………」
「どうして怒らないの?
私、スゴく失礼なコトしたよね?
待っててって言われたのに、黙って帰るとか……
怒られて当然のコトしたよね?」
「……さん?」
「あんなに綺麗なドレスを着せてもらって、
素敵な部屋も、高いお酒も用意してもらって……
なのにすっぽかして帰ったんだよ!
怒ってよ!
ねえ、怒って!」
あ……私、泣いちゃってる。
こんなの益々バーナビーを困らせるだけなのに。
ホラ、バーナビーも苦しそうな顔してる。
分かってるのにどうしても涙は止まらなくて、ワアワアと泣き続ける私の頭をバーナビーの大きな手が優しく撫でた。