第14章 君の手をひいて歩く僕の未来
「はああー……落ち着くぅ…」
1週間振り……かな。
自分のアパートに帰って来たのは。
ずっと仕事終わりにバーナビーのマンションへ行って、そしてバーナビーのマンションから仕事へ行って…の繰り返しだったから。
バーナビーと一緒に居るのが落ち着かなかったワケじゃないけど、それでもやっぱり自分の部屋は格段に居心地が良い。
予想通りと言うか、当然と言うか、私がアパートへ帰る道程ではバーナビーから5分置きに着信が入った。
でも今夜は何となくバーナビーと話すのが躊躇われて、私は『アパートへ帰ります。心配しないで。』とだけメールを送ってそのまま携帯をオフにした。
どうしてこんな気持ちになっているのか、ハッキリした理由は自分にも説明出来ない。
ただ本当に何となく……としか言いようがないんだ。
今夜は疲れたな……。
今は何も考えずにゆっくりと眠りたい。
久し振りに横たわる自分のベッド。
バーナビーの隣で寝てたあのキングサイズのベッドとは比べるのも失礼なくらい、狭くて固くてギシギシ音がなっちゃうパイプベッドだけど……
その心地好さで私はあっという間に微睡みに堕ちていった。