第14章 君の手をひいて歩く僕の未来
そしてパーティー会場では私は言われた通り、バーナビーの横でニコニコしてるだけだった。
「こういう場では同伴しているというだけで
さんは僕のパートナーと見なされますから
特に挨拶とか必要ありませんよ。
だからリラックスして下さいね。」
そう言われて少しホッとした。
概ねの人が好意的な態度で接してくれたから、それも嬉しかった。
けれど、私に対して敵意剥き出しの視線をぶつけて来る人も少なくなかった。
それは勿論、全員が女性だ。
お金も地位もあって、ずっとバーナビーに投資し続けて来たんだろうな。
それなのにこんな地味な小娘が……ってね。
私……自分が蔑まれてるのに、その気持ちスゴく良く分かるよ。
ホントに……BBJの隣に居るのが、こんな私でごめんなさい。
「さん、気分悪いですか?」
「え……?」
「顔色があまり良くないです。」
「………うん。
ちょっと会場の熱気に当てられちゃったかな。」
バーナビーは心配そうに私の顔を覗き込む。
「いけませんね。
さっきのスイート、一泊でリザーブしてありますから
先に部屋へ戻っていて下さい。
僕もあと一通り挨拶したら、
後は虎徹さんにお任せして行きますから。」
「ううん。
大丈夫だよ。」
「駄目です。
無理をさせてさんに何かあったら。
良い子だから僕の言う事を聞いて……ね?」
確かにちょっとフラフラするし……気疲れしちゃったのかな。
無理をしてバーナビーに迷惑かけるワケにもいかないし、大人しく言う事を聞いておこう。
「……ん。
じゃあ、そうさせてもらうね。
ごめんなさい。」
私はバーナビーからルームキーを受け取って、素直に部屋へ戻る事にした。