第14章 君の手をひいて歩く僕の未来
「今夜、さんもパーティーに出席して下さいね。」
「…………へ?」
バーナビーと一緒に朝食を摂っている最中に突然そんなコトを言われて、私は間抜けな声を上げてしまった。
「あの……パーティー…って?」
「今夜フォートレスホテルでアポロン主催のパーティーがあるんです。
まあ、スポンサーのご機嫌伺い程度の小さなモノですが、
入るメディアはアポロンだけだし……
さんをスポンサーの皆さんに紹介するには
丁度いい機会だなって……」
「え……え……
そんなの……私、無理だよ!」
「大丈夫ですよ。
さんは僕の隣でニコニコしていればいいんです。」
そりゃあバーナビーはパーティーなんて慣れっこだろうけど、一般庶民の私にはフォートレスホテルへ行くってだけでも一生に一度あるかないかの出来事だ。
マナーだって全く分からない私はきっと恥をかくに決まってる。
そんな所にわざわざ行きたくないよ。
でも嬉しそうに笑うバーナビーに「行きたくない」なんて言えないし……
「あッ……そう!
私、パーティーに着ていく服なんか持ってないよ!
だからッ………」
コレ、凄くナイスな口実だと思ったのに、バーナビーは子供をあやすような笑顔を私に向けて言った。
「僕と一緒に居て、着るモノの心配なんて不要ですよ。
では18時に、フォートレスホテル1階ロビーで
待ち合わせしましょうね。」