第14章 君の手をひいて歩く僕の未来
「僕の家族になって」
そう告げられた言葉に私が頷いて……直ぐにバーナビーはマリッジライセンスを取得しようとしたけれど、アポロンメディアに全力で阻止された。
うん……私もそれは当然だと思う。
BBJのファンは99%が女性だし、それに今売り出し中の大人気ヒーロー。
そんなBBJが既婚者になっちゃったらアポロンメデイア的には大打撃だよね。
タイガーさんは「そんなの関係ねーだろ!」って、バーナビーの想いを尊重するよう上司に直訴したらしいけど
「バーナビー君の人気はキミとは雲泥の差なんだからッ」と一蹴されたみたい。
しかも相手がトップモデルや大物女優っていうなら話題性もあるけど、こんな一般庶民で見た目も地味な私じゃ余計だよ。
どうしてバーナビーは私なんかを好きになってくれたのかな?
そんな感じで結婚はお預けになって……いや、ホントにね、私は全然気にしてないんだけど……
自分のせいで直ぐに結婚出来ないコトを引け目に感じてるのか、バーナビーはヘンなスイッチが入っちゃったみたい。
私に仕事を辞めて、ブロンズのアパートも引き払って、バーナビーのマンションで一緒に暮らそうって……
「僕がさんに不自由の無い生活を与えてあげたいんです」って言い出した。
流石にそれも急には無理な話で……
仕事は辞めないし、アパートもそのままだけど、でも時間がある時は出来るだけバーナビーのマンションで過ごすから……って約束で何とか落ち着いてくれた。
こんなにバーナビーに大切にされてる自分が誇らしくて………
私、生まれて初めて自分の事を好きになれたような気がするよ。
でも……でもね………
ほんのちょっとだけ…引っ掛かるんだけど………
カフェで働きながらブロンズの安アパートに1人で暮らす私は……
バーナビーから見ると………《不自由》なの?