第12章 LOVE SAUCE 後編
「じゃあ俺は、また1つ奇跡を手に入れようとしてる冒涜者だなァ。
友恵の事はもちろん今も愛してるけどさ……
それを引っ括めて俺を好きになって欲しいヤツが出来ちまった。
友恵の命日が来る度、俺は泣くよ。
来年も再来年も……毎年さ。
そんな俺を抱き締めて、
その涙を拭って欲しい相手に出会っちまったんだ。
ホント……俺ってとことん欲張りだと思うよ。
なァ……バニー?」
「ン゛ッー……」
一度大きく喉を詰まらせたバニーは、またワアワアと泣きじゃくり始める。
俺はそんなバニーに堪らなくなって、上体を起こすとそのままバニーをギュウッ…と抱き締めた。
「バニー……ツライ想いをさせてごめんな。
俺、オッサンだから臆病でさ。
自分からは怖くてバニーに手を出せなかった。
だってお前……王子様みてーだしさ。
だからこんな狡い駆け引きしちまって……
ホントにごめん。」
「んん゛ぅー……
虎徹しゃんッ……こてちゅ……んッ!
好きです!
ずっと貴方が好きだった……」
「うん………俺も。」
バニーの背中に回っていた手で、今度はその頬を包む。
涙に濡れたグリーンアイは吸い込まれちまいそうな程キレイだ。
「ばーに……」
「虎徹…さん。」
自然に重なる唇。
そしてまた触れるだけのキスをしてから、俺はニッコリと笑って言った。
「バニー……
俺が今からお前を男にしてやるよ。」