第12章 LOVE SAUCE 後編
「なァ……バニー?
お前、もしかして……」
「ななな何ですか!?」
「初めて………だったり…する?」
「ーーーーー……ッッ!!」
間違いねーな、コレ。
あ、ヤバいヤバい。
バニー、泣いちまいそう。
「そ……そうですよ!
僕はセックスの経験はありません!
だって……仕方ないじゃないですか!
両親を殺されて、ずっと復讐の事だけ考えて生きて来て……
好きになれる人なんて居なかった!
僕の人生にそんな余裕は無かったんですッ!
ひっ……く……
だから……ンッ…僕は……んぅ…」
あーあ……泣いちゃった。
しかもかなり拗らせちゃってンなァ。
「貴方と友恵さんみたいに、
好きになった人が自分の事も好きなってくれて、
愛し合って、子供が生まれて………
離れてしまっても…ずっと忘れられないくらい好きで……
そんなの、誰にでも起こる事じゃないんですからねッ!
そんなの、奇跡なんですよッ!
だから……僕は……僕なんか……
僕なんかがッ……貴方を……ッ…」
バニーが俺に跨ったまま泣きじゃくる。
そんなバニーが可愛くて可愛くてしょーがねえよ。
「ばーに……」
下から両手を伸ばして濡れたバニーの頬をグイグイと拭った。
「泣かなくていいぞォ……バニー。」
「だって……だって…
こ…てちゅ……しゃ…」
うはは……グシャグシャな顔しちゃって。
ハンサムが台無しだな。