第11章 兎と薔薇はどっちが強い？

「何？
　シツコイ男は嫌われるわよ、ハンサム。」

「貴女に嫌われた所で、僕は痛くも痒くもありませんが……」

「……イチイチ腹立つわね、アンタ。」

「貴女………虎徹さんが好きなんでしょう？」

「ハ…ハアアッ！？
　どーしてそうなるのよッ！？」

「これまでの貴女の言動、
　虎徹さんから戴いたそのタオルへの執着、
　その他諸々の状況を僕なりに精査して導き出した結果です。」

「たたた例えばッ…
　私がタイガーのコトを好きッ…だったとして……
　ハンサムには関係無い話でしょッ？」

「関係無い？
　大有りですよ。
　僕は虎徹さんの唯一無二の相棒です。
　お互いに信頼し合うバディなんですよ。
　その虎徹さんを邪な欲望から守るのは当然僕の使命です！」

「JKの淡い恋心を邪な欲望って……」

「アッ…ホラ、認めましたね！」

「そうよッ！
　私はタイガーが好き！
　っていうか、ハンサムこそタイガーに
　邪な感情を抱いてるんじゃないの？」

「ふざけた事を言わないで下さいよ。」

「………タイガーのコト、好きなんでしょ？」

「邪な感情？好き？
　僕の想いをそんな軽薄に表現しないで頂きたい！
　僕は虎徹さんを愛しているんです！
　それはもう、何物にも代え難い高潔な愛なんです！！」



『その瞬間《バニィーーーンッッ》という効果音が聴こえた気がした』と、後に折紙サイクロンは語った。



「あっそ。
　まあ高潔だかどうだかは何だってイイけど。
　ふーん……結局ハンサムは妬いてるワケね。
　タイガーからタオルを貰った私に嫉妬してるんだ？」

「ばばばばばバカな！
　僕はやややややや妬いてなどいませんよッ！」

「………説得力無さ過ぎ。」

「とにかく！
　虎徹さんは僕のモノなので、貴女は諦めて下さい！」