第10章 真夏の夜の訪問者 前編
そんな自分の格好を見下ろしていると、バニーが俺のアゴを掴んで上向けた。
「バニー………ンンッ!」
唐突に与えられたのは、俺の唇を覆う柔らかい感触。
そして直ぐにねっとりと畝るバニーの舌が、力強く俺の唇を割って咥内へ侵入する。
「…ふぁ……ハッ…」
舌を絡め取られて、咥内中を犯されるように舐め回され……
何だ、コレ?
ヤバい薬を盛られたみてーに身体が痺れて動けねえ。
「バ……バニ……?」
「どうしたんですか?」
「何か……ヘン…だ……
立ってられねえ……」
ブルブル震える膝がガクンッ…と折れた瞬間、バニーの両腕が俺の身体を抱き留めた。
「ふふ……大丈夫ですよ、虎徹さん。
今夜は全部、僕に任せて。」
バニーはそのまま俺を抱き上げると、いとも簡単にベッドへ運んだんだ。