第10章 真夏の夜の訪問者 前編
「え……バニー?」
もう寝ていた俺がしつこく鳴るチャイムに辟易しながらドアを開けると、そこに立っていたのは相棒のバニー。
「お邪魔しても?」
「あ……別に構わねーけど……
でもどーしたんだよ?
こんな夜中に……」
俺の問いに答えもせずバニーはスタスタと部屋に入り、真っ直ぐにロフトへ向かって行く。
「オ……オイッ!」
一瞬ポカンとしたけれど、それでも慌てて追い掛けると………
バニーはベッドに腰掛けて、あの長い脚をゆったりと組んで妖艶に微笑んでいた。
「えーと……バニーちゃん?
これは一体…どーゆーコトなのかな?」
この状況が飲み込めず、ヘラヘラと冗談めかして聞いてみると……
「嬉しいな。」
バニーが立ち上がって俺の方へ歩み寄って来る。
「………へ?」
「貴方がこんな色っぽい姿で待っていてくれたなんて。
僕を誘ってるんですか?」
誘ってる?
は……?
俺はTシャツとアンダーウエア姿だけど、いつも寝る時はこの格好だし……。
コレが色っぽいの?
見るからにだらしないオッサンの下着姿だと思うんだけど。