第8章 love's oracle ~dandelion~ Ⅱ
瞬間、湧き起こる大歓声。
両手で口元を押さえたは小さく震えちまって何も言えないようだ。
そんなの後ろから
「あらあら……大変な騒ぎね。」
なんて、穏やかな笑みを浮かべたママも出て来た。
「………お母さん。」
ママは不安気なの頬を優しく撫でる。
「あなたの好きにしていいのよ、。
あなたの本当の気持ちをライアンさんに伝えて。」
勿論ママは今日俺がプロポーズに来る事を知っていた。
TV中継させてもらうんだからと、アニエスが事前に許可を取っていたんだ。
「それからね、1つだけ言わせてもらうと……」
そう言ったママの指先がの鼻をチョンと突っつく。
「ゴールデンライアンが息子になったら……
お母さん、とっても嬉しいわ。」
そんなママの言葉に不安そうだったの表情がフワッと緩んだ。
そこで俺は立ち上がり、花束越しにの肩をそっと抱き寄せる。
「この街が好きだって言ったお前を、
遠くへ連れて行く事になっちまう。
ママとも離れて暮らす事になる。
それでも俺はが欲しい。
この先、もう俺はと離れてなんて生きて行けねーんだ。」
断られるとは思ってなかったけど……
ここでフッと俯いてしまったの姿に、急激に不安が湧き上がった。
そして聞こえたのは意外な言葉。
「コレ……TV中継されてるの?」
「ん?
ああ……怒ったか?」
「怒っては……ないけど…」
「俺のブライドをさ、
シュテルンビルド中に見せ付けてやりてーんだ。
こーんなに可愛いくて、こーんなにイイ女なんだぜ…って。」
それは間違いなく本音だ。
だけどそれだけじゃなくて、の目を治すために尽力してくれたアニエスに礼がしたいって気持ちもあった。
シュテルンビルドを去る前に、一発どっどーんと視聴率獲得出来れば……なんてさ。