第8章 love's oracle ~dandelion~ Ⅱ
「ズルイよ……ライアンは。」
「……ズルイ?」
「だってこれじゃ……断れないじゃない。」
「………つーか、
TV中継がなかったら断るつもりなワケ?」
いつも通りのふざけた調子で言ったものの、内心はドッキドキなんだけど……。
その時……クッと顔を上げたは、そんな俺の気持ちを見透かしたようにニッコリと笑う。
「まさか!
ありがとう、ライアン。
この街は好きだけど……
ライアンの事はもっともっと………
大好きよ。」
「Whoo-hoo!
I did it!!!!!!」
花束を放り投げを両腕で力一杯抱き締めれば、さっきよりも更にデカイ大歓声。
その歓声の中、聞こえた鳴き声に目線を下ろすと、の足元でモリィもちぎれそうなくらい尻尾を振ってはしゃいでた。
「ヨォ……モリィ!
お前も一緒だからなァ。」
「モリィも連れて行っていいの?」
「当たり前だろ-。
俺が傍に居られない時は、モリィがを護んなきゃな!」
「ワンッ!」
「ハハッ……
相変わらずイイ返事だぜ!」
涙を滲ませニコニコと笑うママ。
顔も知らねー住民達が、俺とのために叫ぶ祝福の声が耳に心地好く響く。
そして腕の中には史上最愛の女。
俺の人生でこんなに幸せだったコトってあったか?
でも、この先の未来……
コレ以上の幸せが訪れるのなんて目に見えてる。
「ライアンさん……こっち!」
なーんて満面の笑顔で声を掛けて来るカメラマンに応えてを抱き上げれば、は俺の頬にキスをした。
そのままキッチリとカメラ目線を決めて………
「Perfectly, Euphoria!」