• テキストサイズ

君とならキスだけで【TIGER&BUNNY】

第8章 love's oracle ~dandelion~ Ⅱ


「いや、待てッ!
 ちょっと待ってくれ……」

俺も慌ててガタンッと椅子を鳴らして腰を上げると

「いい、ライアンさん!」

千代紙がズイッと顔を寄せて来る。

「さんをここに連れて来るのが私の役目だったんだけど……
 貴方に置いて行かれても、恨み言1つ言わないで
 涙を流すのをずっと耐えてたさんが
 今夜貴方に会えるって分かった瞬間にボロボロ泣いたのよ!
 そりゃあもう、嬉しそうに。
 クシャクシャの笑顔で泣いたの!」

千代紙の有無を言わせねー勢いもあったけど、そんな話を聞かされて俺が何か言えるハズもねー。

「もうさんを泣かすのは、
 同じ女として私が許さないからねッ!」

「は?
 だからアンタ、女って……」

当然、俺と一緒にオッサンとバーナビーのツッコミも入るだろうと思ったのに、2人は納得したようにウンウンと頷いていた。

あー……コレ、もう完全に千代紙に掌握されてやがるじゃん。


もうさ……アンタ達には敵わねーよ。

ホント、お手上げ……参りましたってヤツだ。

「分かったよ。
 ………色々とすまなかったな。」

全身の力が抜けたようにストンと座り直した俺を見届けた3人は

「さあ、さん。
 これが本物のゴールデン・ライアンです。
 いかがですか?
 僕の方がハンサムだとは思いますが。」

「言うねー、バニーちゃん。
 おう、さん。
 今夜はガッツリとライアンを叱ってやって構わねーからな!」

「さん、良かったね!
 ライアンさんに美味しいモノいっぱい食べさせてもらってね。」

好き勝手言いたい放題言って、楽しそうに和気藹々と店を出て行った。
/ 461ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp