• テキストサイズ

君とならキスだけで【TIGER&BUNNY】

第8章 love's oracle ~dandelion~ Ⅱ


「お前、晩メシまだなんだろ?」

オッサンが聞いてくる。

「ああ。」

「ヨシ!
 じゃあ食いに行こーぜ。
 遅くなっちまったけどライアンの送別会ってコトでさ。」

「そうですね。」

なんてニコニコと笑うオッサンとバーナビー。

どうやらコレ、断るワケにはいかねーみたいだな。

正直に言えば俺だって誘われたのは嬉しい。

まあ、何だかんだで気遣いの出来る2人だ。

今更の話題を持ち出して、もう『終わった事』を蒸し返すつもりもねーだろう。

「オッケー!
 ゴールデンライアン様の送別会だ。
 豪勢に頼むぜ!」





「…………で?
 俺の送別会だっつってんのに、何でこの店?」

今居るのは俺が泊まってるホテルの中にあるフレンチ。

そう、と最初で最後のデートをした、あの店だ。

「オマケに何でアンタまで居ンの?」

「だって、このお店。
 一度来てみたかったんですよー。
 2部リーグのお給料じゃ高嶺の花過ぎて。
 …………ダメ?」

そう言って可愛らしく笑う千代紙に、俺も毒気を抜かれちまった。

「ハァ……
 まあ、いいけどよー。」


あれよあれよという間にオッサンとバーナビーにここまで連れて来られて、店の前で千代紙と合流して、俺達は4人でテーブルを囲んでる。

不思議な光景だなァ、コレ。

以前だったら絶対に考えられなかったメンツだ。

でも………何か、悪くねえ。
/ 461ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp