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君とならキスだけで【TIGER&BUNNY】

第7章 love's oracle ~dandelion~ Ⅰ


「シャワーを浴びたい」というに、バスルームの中を逐一説明し、着替えも渡した。

そして俺はベッドルームで1人、ソワソワしながら待っている。


オイオイ……何だよ、コレ。

まるでチェリーボーイみたいに緊張してンじゃねーか。

「ヤバい………
 心臓が……」

無意識に呟いた時……

「……ライアン?」

不安気に俺を呼ぶの声が聞こえた。

「ん……出たか?」

バスルームの前で佇むを迎えに行って、その手を取ってやる。

スッピンでしっとりと濡れたブロンド。

白い肌はピンクに染まって、俺と同じ匂いを漂わせている。

ブカブカのバスローブが、の華奢な身体を更に強調していた。

「ハハッ……やっぱバスローブ、デカかったな。
 俺1人だけだから、レディースは用意されてなくてよ。」

「………おかしい?」

「いーや……
 スゲー可愛いぜ。」

長過ぎる袖口からチラリと見える指先も、足首まである裾も……

の身体を殆ど隠しちまってるってのに、何だか露出されるよりも余っ程セクシーに感じる。

に気付かれないようにコクリと喉を鳴らし、俺はワザとらしく何でもないような空気を作った。

「何か飲むか?
 食いたいモンとかあれば、何でもルームサービスで……」

「ううん。
 何も要らない。
 ………要らない…から…
 このまま……連れてって……」

「………ッ!」


はああ……完全に俺の方がビビっちまってんな。

俺は一呼吸置いて覚悟を決めると、俯いたままのをガバッと横抱きにする。

「きゃッ……」

「さあ、お姫様。
 どうぞ、この独りぼっちで哀れな重力王子に……
 温かいスープのような愛をお恵み下さい。」
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