第6章 Loving you is Killing me.Ⅲ 後編
「だからよッ……だから……
せめてオレはバニーが帰る場所でありたいんだ。
苦しくても辛くても、バニーにはちゃんと帰る場所があって、
そこでオレが待ってるんだって思うと頑張れちゃう…みたいな……
なーんてよ……
ハハッ……ちょっと図々しいか?」
そう言いながら虎徹さんが浮かべる照れ笑いが、神々しい程に眩しくて……
「……………ンクッ…」
「エエエッー……
お前、また泣いちゃうの!?」
「だって……だって……」
虎徹さんは完全に呆れた様子だったけど、それでもポロポロと零れる僕の涙を両手の親指で拭う。
「ま……でも、その顔だとイヤってワケじゃなさそーだな?」
僕は首が折れてしまうんじゃないかってくらいの勢いで何度も頷いた。
「うはは……バニー、必死過ぎ。」
「こて…ちゅ…しゃ…ん……」
「……プッ!
アハハハハハッ……噛んでるし!
泣き過ぎだって……もー!」
「………ッ!」
そして僕は虎徹さんの両腕に引き寄せられ、その胸にギュウッ…と抱かれる。
僕の身体に伝わるいつもより少し早い鼓動が、虎徹さんも緊張してたのかな……って思えた。
「こうしててやっから……
少し眠るといい。」
「…………ん。」
掌に吸い付くような肌、ドラッグよりも魅力的な甘い香り、シンクロし始める心拍数………
何よりも愛おしい虎徹さんの全てに酔い痴れながら……
僕はアンバーカラーの優しい夢を見る。
それから時は流れて………………