第6章 Loving you is Killing me.Ⅲ 後編
「じゃーな。
邪魔者は消えるとするわ。」
何も言えない僕と虎徹さんの横を、ライアンは頭の後ろで手を組んだポーズのまま通り過ぎていった。
「アッ…そうそう!」
そして突然振り返り、ビシッと虎徹さんを指差す。
「ヒーローとしてはバーナビーの隣を譲るつもりはねーからな。
またいつか俺にウサギちゃんをかっ浚われるかもしンないぜ!
覚悟しておけよ、オッサン!」
ウインクしながら不敵に笑うライアンに
「おー……望むところだ。」
虎徹さんも笑顔で答える。
「ハハッ……上等だ!」
少しだけ寂しそうな笑い声を上げて部屋を出て行くライアンの背中から、僕は目を反らす事が出来なかった。