第6章 真っ直ぐな瞳
と付き合って半年後、俺は高校を卒業した。
そしてその1年後、は高校卒業と同時に日本を出て、本格的に音楽の道に進むため海外留学をした。
期間は3年。
とは、大きな喧嘩もなくメールやテレビ電話で連絡を取り合っていた。
今日は、が史上最年少入賞を果たした、あの世界最高峰のコンクールがあるらしい。
残念ながら日本で中継はされないから、俺はからの結果報告を待つしかない。
大学の講義を聞いている間も、右手の薬指にはめてあるペアリングを触りながらずっとスマホを確認していた。
やっと届いたからのメールは、たった一文。
«今日20時半、インタビュー中継»