第4章 一枚上手
に会えなくなってもうすぐ1ヶ月。
「木葉さん、ニュース速報見ましたか?」
そう言いながらスマホ画面を操作している赤葦を無言で見ること数秒。
差し出されたスマホの画面に写るのは、にっこり笑うの写真。
「…っ!?」
そのまま画面をスクロールして記事を読む。
‘’日本の天才ピアニスト少女、世界最高峰のコンクールで史上最年少入賞!!‘’
俺は思わず目を見開いた。
その先を読むと、どうやらは明日の朝イチで帰国するらしい。
明日は学校来るのか?
明日は休んで明後日からか?
てか、なんで俺はの連絡先を聞いてないんだ…
さんきゅ、と半分無意識のうちに赤葦にスマホを返して体育館に向かう。
その日の部活は、器用貧乏って言われる俺の器用な部分は全くなかったと思う。