第19章 Just LOVE 前編
でもね、前の晩にたくさん愛し合った日の朝は、僕がコーヒーを淹れて、虎徹さんを起こすんです。
だって、なかなか起きてくれないから……
ま、それも僕のせいなんですけどね。
そして少し恨みがましそうな顔で、僕を見上げてくるんです。
その時の少し照れたような顔がね、また、僕を煽るからそのまま……
なんて時はもう、あまりないんですが、
まぁ……時々ね。
オフィスの虎徹さんは、いつも頭を抱えていますね。
それもまた、可愛い。
口を尖らせてパソコンのモニターとにらめっこしながら、キーボードを叩いてる姿を見ると
毎回、後ろから抱き締めたくなるんです。
何度か実際に抱き締めた事もありますが、思いっきり拒絶されてしまうので、我慢するようにしています。
いくら照れているからといっても、さすがに少し傷付きますよね。そんなに拒絶されてしまうと。
でもね、僕が落ち込んだ顔をしていると、必ず僕の好物を持って来てくれるんです。
そして、僕の左手をキュッと握って、また、自分の席に着くんですよ……
そんなこと計算してやってるのかな?なんて思った事も何度かありますが……
これはもうね、天然。
この天然さがね、ほんと……
恋人の僕としては、無自覚で困るんですけどね……