第16章 if...
「な、何を言ってるんですか!?楓ちゃんっ!」
「本気よ。お父さんに相談される前から……ううん、ずっと前から考えてた事なの」
「そんなっ……」
「ホントよ。だって、私なら……
バーナビーの好きなお父さんの遺伝子を持った二人の子供を産むことができるの!
私、バーナビーに恩返しがしたかったの、ずっと……」
「恩返し……?僕達は親子ですよ。恩返しなんて、必要ない!」
「そんなことない!」
楓が大きな声を上げた。
「楓ちゃん……」「楓……」
バニーと俺の声が揃った。
「親子でももちろんするよ!恩返し!だって私……二人からは沢山の……返しきれない程の愛情を貰ってきたんだよ?
お願い……二人のために……私にもチャンスをちょうだい?」
やっぱり楓は涙を流しながら……
でも、笑って……笑顔で言ってくれた。
この強さは……やっぱり、
友恵……
お前のモンだな。
結局、楓の熱意に圧されたバニーが折れる形で人工受精をすることになった。
でも、楓の身体の事を考えて、挑戦は3度まで!と、約束した。
そして、問題はまだあった。
道徳的にどーなのかって事だ。