第15章 How to A B C & ...!? 前編 A&B
あれから1ヶ月が過ぎた。
でも、それ以上の進展がない。
仕事終わりに時間があるときは、一緒にディナーにも行ったけど……
今までと変わりない、普通のダイナーだったり……
ヒーローの皆でバーに行ったり、と
いや、僕から誘えばいいのか!?
誘う!?この僕が!?
今まで誰とも付き合ったことのない、
この僕が!?
いや、でも……勇気を出さないと。このままじゃ……手も繋げないまま……
僕達は、枯れてしまうんじゃないだろうか……
だいたい、付き合うって何をするんだろう。
いや、そもそも本当に僕達は、付き合っているのかっ!?
恐ろしい考えに至ったその時……
「どったの?バニーちゃん。怖い顔しちゃって……」
「えっ?あ、虎徹さん……」
しまった。ここはオフィスで、隣に虎徹さんがいるんだった!
「あのさ……帰り、飲みに行く?」
虎徹さんが僕を誘ってくれたっ!!!
嬉しいっ!!!
「は、はいっ!僕、行ってみたいお店があるんです!予約しておきますねっ!」
さっきまでの考え込んで沈んだ顔から一転、
急に元気になった僕を見て、虎徹さんがニカッと笑い
僕の頭に手をポンッと置き、
その手が、頬にまで落ちてきて
そのまま、そっと撫でた。
虎徹さんの手が、指が……僕に触れる。
それだけで僕は、
僕は……