第11章 真夏の夜の訪問者 後編
「何ですか……これ……」
バニーが俺の手の中にある人形を取ると、
タプン
と音がした。
「ま、まさか……これ……僕……ですか?」
「昨日、お前が俺んチに来たんだよ」
「は?貴方が僕の家に来ましたよ。夜中に何度も何度もインターホンを鳴らして」
「俺のトコにもだ。夜中にしつこく何度も何度も」
そう言ってから俺はバニーが抱いている、俺に似た《コテツ》人形を取り上げた。
するとまた、タプン、と音がして……
さっきまでは、気が動転していたのか、気付かなかったけど……
そう言えば人形の腹の中が揺れている?
「おい、ちょっと、そっちの《バニー》ちゃん、もう一度貸してくれ」
「どうぞ」
バニーがまだ赤い目のまま、俺に人形を差し出してくる。
タプン……
やっぱり、人形の中に《ナニか》液体の用なモノが入っている。
俺は《コテツ》人形の服を脱がせた。
「な、何してるんですか!?」
「いや、中になんか入ってるみたいだからさ」
そう以前、楓に似たような人形を買ったことがあって……
たしか一緒にフロに入れて、水の抜ける穴がケツのとこにあったハズなんだ。
しかし、なんだな。
これ……服も靴も……靴下にパンツまで!?
俺の身に付けているモノと柄に素材まで一緒じゃねーか?
それだけでも、得体の知れない薄気味悪さがあったのに……