• テキストサイズ

君とならキスだけじゃ【TIGER&BUNNY】

第10章 キスだけじゃ、誘えない


「あーもういいから、早く行けよ」

タイガーが私の手をパッと振り払った。

けど、もう一度私はその手を取った。
そして、今度は目を見ながら……

「ありがとう。虎徹さん」

「!!!」

今度は暗闇でも解るくらい、ハッキリとタイガーの顔が赤くなった。

「もういいよ、おっさんからかうなよ」

「からかってない!」


そう言うと私は、タイガーの手をグッと引き寄せると……
背伸びをして、タイガーの頬に

チュッ

と、キスをした。


「お前なーからかいすぎだろ?」

「からかって、ない……」


きっと私の顔も真っ赤だ。

でも、この手も、バッチリ正面から合った目線も離せない。


「はぁ~やっぱりダメだ」

大きなタメ息を吐くタイガーに

「何がダメなの?」

思わず聞き返していた。


「そんなキスじゃ、おじさんは誘えないぞー」

冗談めかして言うタイガーに思わず

今度はまた背伸びをして、口にキスをした。


小さな子供がパパや、ママにするような、軽いキス……



「悪ィ……」

「えっ……」


タイガーが謝ってから、私を片方の手でグッと抱き寄せた。

そして、もう片方の手で私の顔を上に向けさせると


今度はタイガーの顔が


近づいてきた……


そして


「逃げるなら今だぞ」
だって……



バカね



逃げるハズなんてない。




/ 429ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp