第8章 バニーちゃんの恋人
休日の晴天。
こんな日に僕たちは
ヒーローイベントで、大勢のファンと握手をしている。
今日はヒーロースーツを着ていない。
虎徹さんは、もちろんアイパッチは着けているんだけど……
僕の前に沢山並んでいる人集りを見て、虎徹さんが
「バニーちゃんの列、若い女のコ多いのな」
「えぇ。まぁ……それよりも、虎徹さんは……」
ちっ
思わず心の中で悪態をつく。
虎徹さん目当ての男性ばっかりじゃないかぁ!!!
なんだアイツっ!!!さっきから、嫌らしい目で虎徹さんの腰をじっと見て!!!
くそっ!
そんなとこ、じっと見ていいのは僕だけなのにっ!
「おい!おい!バニー……」
思わずハッとした。
しまった、殺気が隠せなかったか!?焦って横にいる虎徹さんに、張り付いた笑顔を見せようと向いた……
あれ?
「こて……いや、あれ?タイガー……?」
さっきまで横にいたはずの、虎徹さんがいない。
すると虎徹さんの列に並んでいた、数少ない女性ファンと思われるおばさんが、カタカタと震えている。
青白く発光しながら……
まさかっ!?