第5章 Loving you is Killing me.Ⅲ 前編
「へーけっこうイイとこ住んでんじゃん」
「そうですか?」
「あぁ。でもこの部屋、なんか……あんまり物がないな」
「そうですね」
「ま、いーや。それより腹へったな。飯食おうぜ」
「あ、あのライアン……話が……」
「飯食ってからでいいだろ?ほら、材料買ってきたんだ。キッチン借りるぜ~」
「え?えぇ……」
なんだか取りつく島もないライアンに、僕は少し目を丸くしながら、キッチンまで案内した。
鼻歌を歌いながら手際よく料理をするライアンに思わず
「貴方、料理出来るんですね」
「あぁ。自炊してた時もあったからさ~」
「へぇ……」
関心して頷く僕にライアンが手を伸ばしてきて、僕の頭をグッと自身の顔に近付け
「んっ……」
突然、キスをしてきた。
夜の始まりを告げるようなそのキスに思わず、身を捩る……
「ラ、ライア……はぁ……あっ……」
「そんな可愛い顔してたら、料理より先にアンタを食っちまいそうだ」
「な、何を……」
「ま、甘いデザートは後だ。ほら、出来たぜ。テーブルに持って行って食おう。それとも先にデザートがいい?」
「い、いえ温かいうちにディナーを……」
「ははっ!ディナーね、オッケー」