第5章 Loving you is Killing me.Ⅲ 前編
「ライアンっ!!!」
「なんだよ、いいだろ?お守りだよ、お守り」
「何言ってるんですか?」
「早く行ってこいよ」
「……そうですね、すいません。お願いします」
ドライバーに声をかけると、車内は一気に静かになった。
症状も落ち着いているようで、車内には僕と虎徹さんと千代紙さんの三人。
医療スタッフは前の助手席だ。
「上手くいってるんだな、ライアンと……」
虎徹さんがボソッと言った。
「え……?」
「いや、何でもネー……」
またシン……と静まり返る車内で、口を開いたのは千代紙さんだった。
「バーナビーさん、先程はありがとうございました。先輩は、私の上に瓦礫が落ちてきたのを見て、助けに来てくれたんです」
「そぅ……」
「ただ、思っていた以上に瓦礫が降ってきて……途中でハンドレッドパワーが切れて、動けなくなってしまったんです」
「あぁ、あと少しで抜けれそうだったのになー悪かったな、お前にまで迷惑かけてサ」
「いえ、それより……どうして、あのタイミングで折紙を……」