第5章 Loving you is Killing me.Ⅲ 前編
「どーする?何か買ってきて、ここで食う?」
ライアンは僕に気を使ってくれているんだろう。
あの日以来オフィスでランチを取るときは、いつもライアンがテイクアウトで買ってきてくれる。
夜は自宅に帰らずに、ずっと誘われるがまま、ライアンの住まうホテルに行っている。
「……今日は天気もいいですし、外に出ましょうか?」
「おッ、いいね~」
「公園で食ってもいいしなぁ~何か食いたいもん、ある?」
「いえ、特に……」
そう、何を食べても……
味を感じない。
それでも食べる。身体を維持するために。
「ま、とりあえず、外に出ようぜ」
「はい」
そう言うとまたライアンは、僕の肩に手をかけ
額にキスをしてくる。
この一連の動作に慣れてきた頃だったんだ……
バケットサンドをテイクアウトして、僕達は公園の木陰で芝生の上に座り食べていた。
この日は、本当に天気が良くて……
ライアンが、コロンと僕の膝の上に寝転がってきた。