第6章 moron
零side
夜中に目が醒めると、隣に寝てたはずのあすかがいなかった。
上着もなかったから、外に行ったのかな、と思っていると
ちょうどタイミング良く玄関から音がした。
ドタドタと勢いよく寝室に入ってきたと思ったら、
「…あすか⁇」
「…っ零ちゃん…」
涙で顔をぐちゃぐちゃにしていた。
抱き着いて来たので、しばらく胸を貸して泣き止むまで背中をさすっていた。
九条と何かあったのかな…。
「あのね、零ちゃんっ…」
「落ち着いてからでいいよ。」
頭にぽん、と手を置くとまた泣き出してしまった。
…逆効果⁇