第4章 progress
咄嗟に、嘘をついてしまった。
天には、知られたくなかったから。
もし本当のことを言ったら君は何ていう?
それを聞くのが、堪らなく怖かった。
「天、これから仕事ないよね⁇」
「うん、今日はもう終わり。」
嘘をついたことを誤魔化すように、
天のスケジュールを確認し、彼を誘った。
「今からどっか行こう⁇」
天は忙しいから、滅多に休みなんてないはず。
だからせめて、貴重な時間は楽しませてあげたい。
…この嫌な空気を変えたかったっていうのもあるけど。
天が小さく頷いたのを確認し、行き先を決めようとした。
「って言っても、何処に行こうか。」
…アイドルである私たちが行ける場所なんて限られている。
ふと、思いついたのが
「私の家、来る⁇」