第4章 progress
天 side
どう見ても、告白されるのは目に見えてた。
あすかは僕の恋人じゃないし、きっとこの先もそうなることはないだろう。
…僕の恋人はファンだ。
なのに、あすかが誰かのものになると思うと、
やるせない気持ちがどこかにあった。
この気持ちを何なのか理解したくはなかった。
理解するのが、怖かった。
彼女は意外と、早く戻ってきた。
「天。待たせてごめん、帰ろ!」
さっきと表情こそ変化はないが、僕は不安でたまらなかった。
「何の話だったの⁇」
わざと、聞いた。
「えっとね…ドラマの話だよ!」
妙な間と、目が泳いでいるので嘘をついていることはバレバレだった。
どうして嘘つくの⁇と問いただしたいところだが、
彼女を怖がらせてしまうと思いやめた。
昨日縮まったと思った距離も、今ではすごく遠く感じた。