第3章 難関。
小林さんをごろ寝マットに寝かし、
私もその横に寝ころんで、彼女の手を取った。
「見たい夢、行きたい瞬間を強く願って。
私の手を離さないでね。」
田中さんと浩二君が見つめる中、
私達は、夢の中へと意識が落ちて行った…
「…行ってらっしゃい。」
また…浩二君の優しい声が聞こえた気がした…
ぼや~と辺り一面に、もやが掛かった景色の中、
おばあちゃんと呼ぶには少し若い女性に
手を引かれた幼い少女が歩いている。
(小林さんと、おばあさんやな?)
楽しそうに動揺を口ずさみながら…
ゆっくり歩いている。
周りを見回し…私は事の大変さを感じていた…。
(…えぇ~…マジか…。)