第62章 【一松ルート】デカい猫保護しました
珍しく今日はちゃんとした夕飯を作ろうと思い、ナス子と一松はよく行くスーパーに足を運んでいる。
「ねね、何食べたい? お姉さんが腕によりをかけて美味いものを作ってしんぜようじゃないの!」
「なにそのドヤ顔……ていうかちゃんとした物なんて作れるの?」
「むっ、独り暮らししてもう何年か経つんだしそれくらい出来ます~、私にはクッ〇パッ〇という味方がいるんだからっ」
「…………その時点で料理が出来る人には見えないよね」
はしゃぎながら食材を見て回ると通路の前に緑色のジャージを着、メモを確認している見知った人物がいた。
「あれ? チョロ松だー!!」
「え? ………あ、ほんとだ」
その人物にナス子が駆け寄ると、一松もペタペタと歩いて後を追う。
「ん? あぁ、ナス子……と、一松。 なに買い物? お前が外に出るなんて珍しいね」
「ふへへへ、ナス子さんは恋の魔法でズボーラの呪いが解けつつあるのですよぉ」
「うわぁ……早速惚気かよ、爆発して粉々になって飛ばされればいいのに」
「悪いね、チョロ松…。 なんか知らないけどコイツ今調子乗ってるから」
もうこのやりとり完全なカップルか新婚かよ!マジ滅びろ!!と思うチョロ松だったが、ここは取り乱さず冷静に対応する。
「チョロ松は何買いに来たの?」
「ん?母さんに夕食の材料を頼まれたから買いに来たんだよ」
「ふーん、あ……母さんに俺の飯はこれからはいらないって言っておいて」
ナス子の家に居座り続けるつもりの一松が丁度いいと思うと、チョロ松に伝言を頼んだ。
「はぁ? これからってなに? どういう事?!もしかしてお前ナス子の家に住むつもりじゃ………」
さすがチョロ松だ。
まだ何も言っていないのに予想がついている。
一松が仕事などする訳ないと思っているからこその思考ではあるのだが。
「へっへっへ、暫くは新婚ごっこですぜチョロ松ぅ~! いいだろ~?」
「はー? 別にお前と新婚ごっこなんていくら頼まれてもしたくないよね、どうせ何もしないでダラダラ過ごして夫をこき使う未来が目に見えてるくらいだしっ、ままっっっまーーったく悔しくないから!」